「思っていた髪型と違った」「カラーがイメージより暗くてショック」――そんな美容室での失敗経験、一度はありますよね。その原因の多くは、施術そのものではなく、実はカウンセリングでの“すれ違い”にあります。
今回は、美容師としての知識も交えながら、仕上がりに満足するためのカウンセリングの受け方をわかりやすくご紹介します。初めての美容室でも安心して施術を受けられるよう、今日からできる具体的な準備や伝え方のコツも盛り込みました。
はじめに:なぜ美容室で“失敗”が起きるのか?

伝えたつもりなのに思ってたのと違う経験ありませんか?

美容室での仕上がりに満足できなかった原因の多くは、「希望がうまく伝わっていない」「美容師の説明を理解しきれなかった」など、カウンセリング中のコミュニケーションのすれ違いにあります。つまり、失敗の多くは技術ではなく“情報の行き違い”で起こるのです。
たとえば「軽めにしてください」と伝えても、美容師によって“軽め”の解釈が異なります。ある人は毛先をたっぷりすくことだと思い、別の人はレイヤー(段)を入れることだと考えるかもしれません。このように、言葉のイメージのズレが仕上がりの差を生むのです。
失敗しないためには、事前の準備と適切な伝え方がカギ

希望を正確に伝えるためには、曖昧な言葉ではなく「視覚的」「具体的」に伝えることが大切です。写真を見せたり、NGな髪型をあらかじめ伝えることで、イメージの共有がスムーズになります。
また、美容師に任せっきりにせず、疑問点はその場でしっかり確認することも重要です。納得できないまま施術が始まってしまうと、あとで後悔しても戻すことは難しいからです。
1. カウンセリング前にやるべき準備

美容室に行く前にできる準備は、仕上がりの精度を左右する大切なステップです。
まずは、「なりたいイメージ」を具体化することから始めましょう。おすすめは、SNSやヘアカタログから2〜3枚、自分の理想に近いスタイル写真を保存しておくこと。文字だけの説明より、視覚情報の方が確実に伝わります。「ふんわり」といった抽象的な表現は避け、「この画像の毛先の感じが好き」といった伝え方が有効です。
同時に、「こうされたくない」というNG例も明確にしておきましょう。過去に失敗した髪型や、苦手な雰囲気を伝えることで、美容師はより的確な提案ができるようになります。
さらに、過去の施術歴(縮毛矯正、ブリーチ、セルフカラーなど)は必ず伝えること。特に薬剤を使うメニューでは、事前情報の有無が仕上がりやダメージリスクに大きく影響します。
最後に、自分のライフスタイルやスタイリング習慣も伝える準備をしておくと◎。たとえば「朝は5分しかスタイリングできない」「結ぶことが多い」など、日常に合わせたスタイル提案につながります。

まずはなりたいイメージを具体化しましょう
2. カウンセリング中に伝えるべきポイント

カウンセリングの時間は限られています。その中で効率よく希望を伝えるには、「7つのポイント」を押さえておくと安心です。
- なりたいイメージ:写真や参考資料を見せながら、「この長さ感が理想」「この雰囲気に近づけたい」と具体的に伝えましょう。
- NGポイント:前髪の長さ、顔まわりの量感など、避けたい要素も明確に。
- 髪質と頭の形:自分のクセ、広がりやすさ、絶壁など、気になる特徴があれば先に共有しておくとベターです。
- これまでの施術履歴:直近1年以内のカラー、矯正、ブリーチ経験などを伝えることで、ダメージや薬剤反応のトラブルを防げます。
- スタイリング習慣と希望:毎日のセット時間、アイロン使用の有無、スタイリングにかける手間を伝えると、自分に合った再現性の高いスタイルになります。
- 髪型の持ちと色持ちに対する希望:できるだけ持たせたいのか、変化を楽しみたいのかで提案が変わってきます。
- 健康面の注意点:頭皮が敏感・妊娠中・アレルギー体質など、施術に影響がある情報は事前に必ず伝えておきましょう。
これらを伝えることで、美容師はあなたに最適な提案をする土台が整います。

言葉で説明するのが苦手な方は写真などを用意すると伝わりやすいですよ
3. カウンセリング中のよくある失敗とその回避法

失敗例として最も多いのが、「お任せで」と言ってしまうこと。実はこの“お任せ”ほど解釈が分かれる言葉はありません。「似合うように」というつもりでも、美容師のセンスがあなたの好みに合うとは限らないのです。
もうひとつ多いのは、専門用語がわからず曖昧にうなずいてしまうこと。たとえば「グラデーションボブで、毛先はスライドカットで仕上げます」と言われて、「なんとなくわかった気がするけど…」と不安なまま進行してしまうと、後悔の元です。
これを避けるには、わからないことは遠慮せず質問する勇気が必要です。「それってどういう意味ですか?」と聞くことで、美容師も丁寧に説明してくれるはず。むしろ質問してくれるお客様の方が、プロとしても信頼しやすい存在です。
また、「自分の伝え方が悪いかも」と感じる方は、無理に言葉で表現しようとせず、写真やスクショを活用しましょう。視覚情報は100の言葉に勝る、と言われるほど効果的です。
4. 施術中と仕上がり確認でやるべきこと

施術が始まってからも「完全に任せっきり」にしないことが大切です。カット中に「長さはこのくらいで合ってますか?」と聞かれたら、遠慮せず確認しましょう。特に前髪や顔まわりなどは、数ミリで印象が変わるため、自分の感覚で「もう少し短く」などと伝えてOKです。
また、仕上がり後には「スタイリング方法」「再現のコツ」「使用したスタイリング剤の名前」なども聞いておくと、自宅でのケアが格段に楽になります。せっかく素敵な仕上がりになっても、再現できなければ意味がありません。
次回来店の目安や、退色・パサつき防止のホームケア方法もこのタイミングで聞いておくと、より長くスタイルを楽しめます。
5. 信頼できる美容師と出会うコツ

最後に、失敗を未然に防ぐためには「信頼できる美容師選び」も重要です。
ホットペッパーやSNSを見る際は、写真だけでなく口コミの内容もチェックしましょう。特に「カウンセリングが丁寧だった」「相談しやすかった」という声が多い人は安心感があります。
また、初回は少し時間をとって「しっかり話を聞いてくれるかどうか」を見るのも大事。カット技術だけでなく、対話のバランスが合う人を見つけると、長く安心して任せられるパートナーになります。
おわりに:美容師と“共同作業”で理想のスタイルを叶える

お互いの意思疎通が取れると再現率アップです!
美容室でのカウンセリングは、単なる質問タイムではなく、美容師との“スタイルづくりの打ち合わせ”です。理想の髪型を叶えるには、技術だけでなく「お互いの理解」が欠かせません。
事前にしっかり準備をして、遠慮せずに希望や不安を伝える。その積み重ねが、あなたにぴったりのスタイルにつながります。
「次こそ失敗したくない」と思っているなら、今日から“カウンセリング上手”を目指してみませんか?