カラーの失敗、その原因の多くは“すれ違い”

「思ってた色と違う…」「暗くなりすぎた」「赤みが残ってる」
そんなカラーの“失敗”の多くは、実は技術よりもカウンセリング不足が原因です。
美容師とお客様の「イメージのズレ」「履歴の伝わらなさ」「好みのニュアンス違い」など、すれ違いを事前に防ぐことがとても大切。
今回は、ヘアカラーで失敗しないために、お客様に知っておいてほしい“事前カウンセリングのポイント”をまとめました。
事前カウンセリングで確認すべき3つのこと
美容師として、特に大切にしているのが以下の3点です。
①なりたいイメージの共有(写真が◎)

「アッシュっぽく」「やわらかい感じ」など、言葉だけでは伝わりにくいことも多いため、画像を一緒に見ながらイメージをすり合わせるのがおすすめです。
PinterestやInstagramで「これいいかも」と思った画像を数枚見せていただけると、明るさ・色味・雰囲気のズレを防げます。
②過去のカラー履歴(できるだけ正確に)
髪の履歴はカラー剤の反応に直結します。特に以下のような履歴は、色の出方・定着・ムラの出方に影響が大きいです。
- ブリーチ履歴(何回・いつごろ)
- 暗染め(黒染め・濃いブラウン)履歴
- セルフカラーの有無
これらは事前に必ず伝えておくことで、トーン設定や塗布の順番を調整できます。
③色落ち後の理想も伝える
カラーは「染めたての色」だけでなく「1〜2週間後の色落ち」も大事。
たとえば「黄色っぽくなるのが苦手」「赤みは絶対消したい」など、色落ち後の好みも教えていただけると、褪色まで見越した薬剤選定ができます。
カウンセリングでよくある誤解とその対策
- 「アッシュ=暗い」ではない:透け感を出すアッシュもある
- 「明るくしたい=ブリーチ必須」とは限らない:髪質や履歴次第でワンカラーでも明るく見える方法あり
- 「赤みを消したい」=寒色ではない場合も:髪質や肌色に合ったアプローチを提案
こうした誤解は、カウンセリング時に美容師と共有しておくとスムーズです。
実際のカウンセリングの流れ(例)
初めての方でも安心して相談できるよう、こんな流れでカウンセリングしています。

- なりたい雰囲気のヒアリング(画像があると◎)
- 過去のカラー履歴と、現在の髪の状態をチェック
- 色落ち・持ち・褪色後の理想も共有
- 髪質・ダメージを考慮した薬剤設計を一緒に確認
「どう伝えたらいいかわからない」という方も大丈夫。こちらから質問するので、安心して相談してくださいね。
まとめ:理想の色は、技術より“対話”で近づける
カラーの満足度は、技術だけでなく「どれだけ想いを共有できたか」でも大きく変わります。
事前にしっかりお話をすることで、イメージのズレやリスクも最小限に抑えられます。
「こんな感じって伝えていいのかな?」「ざっくりでも大丈夫?」──もちろんOKです!
私たち美容師は、そこからしっかり汲み取ってご提案します。
一緒に理想のカラーを叶えるために。
まずは気軽に、思っていること・不安なことを教えてくださいね。